ママさん看護師

ママさん看護師 S さん

5F 特殊疾患病棟

ママさんナースでも、ここでしか学べない看護がきっとあります

私は2020年の5月に当院へ入職しました。その前には、三次救急の病院など2つの医療機関で勤務していました。いずれも外科系の部署に配属されていましたので、当院では、今までとはまったく違う経験をさせていただいています。
前の職場は、結婚・出産を機に退職し、子どもが1歳半をすぎたところで、自宅からも通いやすい当院へ入職しました。それまでとはまったく違う環境ではありますが、私自身、「子どもとの生活も大切にしたい」や「もっとゆったりとした時間の中で看護をしたい」という思いもあり、当院への入職を決めました。

入職してすぐに、現在の職場である「特殊疾患病棟」へ配属されました。この病棟に入院される患者さまは、パーキンソン病や筋萎縮性側索硬化症(以下、ALS)などのいわゆる神経難病などの患者さまや、脳疾患の後遺症が残った患者さまです。慢性期ではありますが、回復して退院されることも少ない方たちで、寝たきり、動けない、会話ができない、でも意識は比較的しっかりしているなど、とても繊細なケアを必要とされています。人工呼吸器を装着される方もいますし、吸引などのケアが必要な患者さまもいらっしゃいます。前の職場とは大きく環境が違うのですが、私自身は「患者さまやご家族と、ゆっくり関わることができる環境」と、前向きにとらえています。

ただ、この環境に慣れてしまうと、「患者さまとの会話が無いままの処置」や「患者さまの意思を尊重できない看護」になってしまうのではないか、という不安も少なからずあります。そこで私が毎日気を付けているのが、「看護師として何かの行動を起こす前には、患者さまにしっかり説明をすること」と、「慣れた患者さまでも丁寧な声掛けをすること」です。
現在はほぼ1年、同じ患者さまを担当させていただいていますので、私の声掛けなどに対し、わずかですがうなずいて下さる日や、まばたきで合図してくださることもあります。患者さまのこうした反応は、「もしかして、私に心を開いてくれたの?」と、自分の看護を振り返り、とてもうれしくなります。そして、なによりご家族からの「ありがとう」の言葉は、自分の看護に対して自信が持てると同時に、看護師としての自分の存在に誇りを与えてくれる魔法の言葉です。

私は子どもがまだ小さいですから、勤務時間にも配慮していただいています。今のところは夜勤も免除していただいていますし、時短勤務でのシフトを組んでくださいます。看護師同士の希望が重ならなければ有休もとりやすいですし、夏休みなどは比較的長めのお休みも取りやすいのは、すごく助かります。

看護師として、現在の病棟で学ぶことはまだまだたくさんありますが、周りの先輩方にも相談しやすい環境ですし、余裕のある子育てもできます。私のような「ママさんナース」には、とても働きやすい職場だと思います。